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	<title>MeMo</title>
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	<description>いわゆる『ネタ帖』という都合の良い【壁打ち】です。</description>
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		<title>１</title>

		<description>
【もしもタイムマシーンがあったなら】…</description>
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			<![CDATA[ 
<a href="https://kaku-app.web.app/p/e4TFbWygap5LoGK8YC1j">【もしもタイムマシーンがあったなら】</a>



『当選おめでとうございます。厳しい審査を乗り越えた貴方。これからあなたには、我が社が開発した《タイムマシーン》によって、過去へ飛んでもらいます。そして、出来るだけ且つ単純に、彼らを誘えば良いのです。』


－－－たった、それだけなのですよ。
初心者でもできる簡単なお仕事です。


と、言って男は笑顔を作った。


男の鞄から取り出されたそれは、
１つだけ赤い大きなボタンが埋め込まれた、
銀色の箱。


どうぞ、こちらへ…。


そうして男によって誘われたわたしは、
まだ進化していない猿も同然の我ら祖先の元へと飛び、彼らが道具を使うよりも以前に、
この赤いボタンを前にして、いかに恐怖や危険を感じ悟る潜在能力を持たせないようにさせるか。
そして、いかにこのボタンの扱いを容易くさせることが出来るかの任務を与えられた。


このボタン一つで、何かが変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。もしこの計画がうまくいっても行かなくとも未来が作られることは造作もないはずだ。


だが、もしかしたら、
赤いボタンを押す権利のある国が出てきた時に、迷わずボタンを押すことがあるかもしれない。
それはこの計画が成功したと言う証でもある。



だが、わたしはこの計画がうまくいくことを期待してはいない。中には反乱を起こして戦いを真っ当から否定する国も出てくるだろう。進化とは、遺伝子とは何処から枝分かれしていくかわからない。
記憶の刷り込みにわたしがもし成功したとしても、所詮は異論を唱える者も少なかれ出てくるだろう。


そして、わたしは所詮、莫大な金で雇われた身だ。
解ったフリをして適当な相槌だけをし、金だけ受け取ってあとはおさらばすれば良い。


当初はそんなことを考えていたわたしは、甘かった。


男は作った笑顔のまま銀のスーツケースの中を開け、
前金としてあなたに渡す、という。
これからこの男の会社が考案したというカリキュラムをみっちり密着学習させられた後、《タイムマシーン》と名付けられたシステムに乗り、過去へと飛ばされる。

ーー逃げられない。と気づいた時は既に遅かった。
前金を受け取るよりも前に、自分の命はもう決まっていたのだ。


もしかしたらもう、帰ってはこれないかもしれない。
金欲しさで釣られた過去の自分。もしもこのタイムマシーンに乗って戻ることができるのなら…



わたしは、覚悟を決めた。


未来は、私の手にかかっているーーー。





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		<dc:date>2022-08-09T22:12:56+09:00</dc:date>
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		<title>四</title>

		<description>
そして、吸い寄せられるようにして男の…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
そして、吸い寄せられるようにして男の元へ・・・。
気付いた時にはその胸にと抱かれていた。
男は思っていたよりも狡猾だった。 何もいうな、という目をしてその口は桂の唇に触れた。
ーッ・・・
何物にも変えられないその刹那が溢れる。恋焦がれてしまうような熱さだった。

まさか、･･･これが、このオレが、欲しがっていたものなのか？
少しだけ触れたそれは粉雪の儚さかそれとも、幻か。消えてはなくなるそんな刹那を、望んでいたのだろうか？・・欲していたのだろうか？
けれどそれを許してしまったあの時から、この胸の疼きがとめどない。
堕ちてもいいなどとも思っていた。しかしなんだというのかこの靄のかかった感情は。これを表現するものは、オレの知っている言葉で表すことができるのだろうか？

この穢れを早く落とすべきなのだろう。しかしそれを知っていて、私は、それを否定する事ができないでいる。
今まさにこの男に抱えられているというのに、それを振り落とすこともできぬのだ。

桂はふいにあげてしまった自分の甘美に恥じて我を思い、一瞬顔を伏せた。
しかし土方はそんな桂を強引に向かせると、艶色で染めた桂の首筋をなぞる様、舌で愛撫していく。
その容姿は普段とはまったく別人の優男になっていた。
まるで蕩けるようなその舌でゆっくりとその曲線に沿って這わせていき、そのまま下へと感じさせるかのように普段その男には想像できないくらい優しく何度も擦りつけてくる。

――あ、･･･くっ、･･･ン

――ここ、弱いのか？

思わず出てしまった二度目の媚声が、男の期待を持たせてしまったのか、より深く更に高く熟れた声を引き出そうとして愛撫の数も増えて行く。
意地悪く問われても、答えを待ってはくれはしない。
普段なら答えてやるどころか蹴りあげ砂をつけて返し、さらには毒までお見舞いしてやるのが彼らの間柄であるのに
こんな熟れるほど余裕のない甘い誘惑など知るはずもない。
ましてや桂自身がそれを望んでいた、などと自身でも信じがたいのだと今この瞬間でも思っていることなのに。

それでも・・・・、
それでも、この妙に甘ったるくて、時さえたつのを忘れるほどに土方との関係を躯が求め始めていた。
ふいに媚色を帯びた声を出してしまったことさえ自覚のないことや、この淫らに堕ちて行く、その危機さえも感じられず、それでいて桂のその両手はしかりと土方の胸を掴んで離せなかった。


・・・目の前で女が泣いている。・・・あれは、確か、過去の、・・・。
乳母の記憶だろうかと考えてはみたものの、そんな記憶は既に削がれた後であった。
それならば、と考えて実母か？と思ってみたものの、土方にはそんな記憶すら一切なく
彼の元へ近寄ってきた色女共の顔を覚えている限りで見渡してもどこにも女の面影はなかった。
その女の顔をあげさせて、は、と我に還った土方は、（なんだ。）と一人胸にごちた。

――“これは”今しがた俺が堕としてやった女じゃないか。
泣く、ではなくただの色女になっただけの。
普段は尖った態度しか示さないが、鼻で笑って流してやりたいほどに、どうやら軽くおさまってくれたらしい。
まあここまで一筋縄でいかなかった分を思えば、『女』にしては随分とかかったようにも思えるが。

だがこれは女といっても狐であるから、今俺にこんな風に媚びていてもきっとこの月が陽に代わる頃にはきっと
元に戻っているに違いない。
所詮、狐は狐なのだ。
でもまあこのときだけは騙されてやってもいいが。

そう胸の中にごちて決して表には出さぬように、と我を決してからというもの
土方はその尖った角も鬼のような形相も削ぎ落としてしまったかのような男になり桂に接した。

桂がどう思っていようが土方にはどうでもよいことだった。
たとえ自分に堕ちていようが堕ちなかろうが、これはただの愉悦という戯れに過ぎないのだ。
そんなこと当にこの男も知っているのだろう。
だからこうして、こんな俺だとわかっていながらその関係もこんな戯言に腰を落とし大人しく、狐であることを隠して人間の女の振りをすることもすべてわかっている。

俺も表向きでは言えないような関係をいくつか持っているし、ある程度の修羅場を掻い潜ってきているのは
この桂とて同じことなのだ。
そもそも高杉との関係を既にこの男に知られているのだ、まさかこんな関係が本気であると思うとか、どうかしている。
桂がどう思っているかなんてのはどうでもいい。まさかこの俺に抱かれたいと思っているとしても
それはそのときの流れで抱きもするし、ただの関係だけで終わることだ。

（・・・やはり、俺には――。）


土方は桂を胸に抱き、その白い首筋に自分の痕をつけながらも、あの男に抱かれる時を想った。
自分もこうされているあの瞬間（とき）は、なにものにも返られはしないのだ、と。






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		<dc:date>2018-06-26T00:42:50+09:00</dc:date>
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		<title>三</title>

		<description>――俺は、あの狐に元に行くのか。
それと…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ――俺は、あの狐に元に行くのか。
それともあの男の下でまた抱かれるのか。

だがこの足は、あの男の元に向っている。
それでいて、この道はあの攘夷志士の道と同じであるという。
さて、こんなに可笑しなことがあるものか。
こんなに根拠なく不可解なことな発言に誰がそれを信じるというのだろう。

俺が行くのは、あの男・・・いや俺はこの夜が明ける前に我が隊に戻らなくてはいけないのだ。
なのにどうして、根拠もないくせにあの女狐はひょうひょうとそんなことを言ってのける。
まるで見てきたかのような口ぶりで。

俺の生きるこの“道”は、俺とあの男を繋ぐ道、ただ１本しかない。


土方が向かう足は迷わず慣れた道を選んだ。
目を黒くして闇に滑るその慣れた足を使っていつものように路地を抜ける。目前には屋敷があった。
勝手口を手で軽く押せば小さく開いた音が聞えた。
まだ足元を照らす火がなければ見失ってしまう視界では研ぎ澄ます耳だけが頼りになる。
その微かな音を頼りに僅かに開いた戸からは微力にもれる灯が見えた。
門番はおらず、土方はそのまま中へとするり音もなく入り込む。
光を失って外はまた暗闇に包まれた。

自分の行動がわからない・・・わけでもなかった。
ただ此処に来てしまった。という事実だけが土方にもわからなかった。
暗い路地を慣れた足取りで覚えた道だというのに。
気付いたときには此処へたどり着いていた。
この狐の元へと。

砂の混じる音を聞きつけてか障子がすっと開くと、中から白い手が呼ぶ。
 「・・てめェが出て来い。俺は忙しい」
乏しい灯で浮かび上がる影は長い髪を垂らした女狐に見えた。
 「まあそういうな。寒いだろう。此処に来い」
そういってまた白い手をみせる。
 「俺は遊びに来たわけじゃねェ。お前が顔を見せろ」
 「・・・・なんだてっきりお忍びかと思っていたんだが。なら用はない。気が変わらぬ内に立ち去れ」
 「あ？呼び出したのはてめェの方だろ？客を手前で帰すとはどういうつもりだ。叩き斬るぞ」
 「なんだ貴様。職務乱用ではないか。おまわりさんがいたいけな一般市民に危害を与えるなら俺も黙ってないぞ」
 「フン、てめェが吠えたところで痛くも痒くもないがな、いいからさっさと」
 「その言葉バットで打ち返してやってもいいがな。俺はお前とあの男とが裏で××しているというスクープをマスゴミに」
 「洩らす・・・ってか？じゃあ、俺はお前のその口を奪った張本人として」
 「な、バカか！貴様。そんなことしたら某大型掲示板が炎上するぞ!!ゲス谷ならぬゲス鬼だ！」
 「誰がゲス鬼だ。・・・例えばこうか？『鬼の副長・土方十四郎、づらかりんと接吻デート！』」
 「づらかりん、ではない！桂だ！」
 「・・・・認めてンじゃねーか」

土方は硬い靴をコツ、コツと秒刻みに鳴らす。


桂は静かにその気配を感じた。
・・この男は最初から喰えない男であると重々承知はしている。だからこそ、俺は、・・・・。
いや、そこは敢えて今はまだ口にしてはいけない。奥にある感情は、暗いまだ陽の当たらぬ場所に置いておくほうがいい。この心が（躯が）間違っていると知っている。
それでも素直になってしまうとか、逃げられずに縄で縛られて捕らわれてしまってもいい、・・だなんて、一瞬のうちに堕ちて行く心地良さを羨むものはまだ、表に出るべきでは、ないのだ・・・。

そう、この土方という男は信用ならぬ者。そうでなくとも“敵”なのだ。己にとっては、理解せぬ者。
銀時のような男であれば曲がりくねろうが意外と素直さはある。どんな節があろうとも毒はない。
けれどこの男には奴と同じ性格を持つくせに、どこか掘り下げようのない、何かがあるのだ。

桂にでもそれがなんなのかわからない。
育ってきた環境の違いだろうか、それともこの男の本質的なものだろうか。
環境といってもあの高杉にわかって同じ道を共にしてきた俺がわからないことがあるのだろうか。。
桂はそれについて思う時いつでも黙考した。

 「いいから、こっちへ来い」

「御託はいい。」・・・・男は云う。
あの目は逃げる俺を追うときと同じ、か。
獣のようにぎらぎらさせて獲物を必ず捕らえる目は、まさに表の顔で見る目と同じである。
けれどそうだと知りながら、少しだけ危ない橋を渡ってやってもいいだなんて思えてしまう、このとても厄介でとても悪い癖だ。

ただ、「来い」とだけ言われて「はい」と素直に答えてやるだけの従順さは覚えがない。
けれどあの闇の深い宵の中なら、その身を隠す暗さなら、顔だけを隠した月であるのなら、
その胸を聞いてやってもいい・・・。




*この頃ちょうど某バンドのボーカルと未成年の♀タレントさんとの騒動が話題になっていたので
ネタにブッ込んでいるというわかる人にはわかる時代ネタが織り込まれています（笑）
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		<dc:date>2018-06-26T00:23:10+09:00</dc:date>
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		<title>二</title>

		<description>
――この道は、それに続いている。

そ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 
――この道は、それに続いている。

そう思ったのはなんとなくで、それを確実とした明らかな証拠などなかったが、
土方にはわかっていた。

桂に会う数時間前、あの男の懐に抱かれていた自分を思い、そして数分前に別の男に誘われた自分を思った。

なんとも都合の良い話じゃねェか。
まさか、この俺が行くとでも？
んなわけ、――あるわけがない。
この俺でも、そんなに暇じゃあない。

土方は自分の歩く暗い路地を音を無くして進む。
けれどその心には、葛藤が続いた。

珍しいことだった。
以前ならばかき乱されていたこの胸が、なんとも物応じせぬことを。
憤りや不安、焦燥の蟠り。
それらすべて色情に変え毎晩の様にあの男にぶつけた。
その所為なのかはわからないが、思えば以前のそれは消えていることを知った。
相手が誰であろうとあの頃は、その胸の鉛が取れさえすればよいと思っていた。
あたりかまわずというわけではなかったが、あの頃に出会った相手があの男、高杉だった。


 『堕ちて行く』
ということに抵抗はもちろんあった。が、あの甘美を知ってしまった躯はもう、言うことなんて聞くはずがない。
あの有能なる甘美は、きっと堕ちた者しかわからないだろう。
堕ちる、なんて言葉を聞く事や口にした時は、ただただ感嘆してしまうほどだ。

･･･ああ、もっとシテほしい。

と自分の其れが疼く。
褒める方と嘆く方。
どっちをとってもいい。けれど俺は、嘆く方だ。
まどろみの中に陶酔していく様を、遠目にただ何も出来ぬ赤子のように嘆き悲しむのだ。
そして熱く疼くのはいつだって俺の方だ。
あの男の下でアレを咥えて舐めあげて甘美を味わう。
深い夜、誰にも邪魔されず・・明かりは乏しい蝋燭だけ。
どんなに彼処を溢れさせようがどんなにしゃぶってもどんなに水音をかき混ぜようが誰に構う事もない。
その刹那に繰り広げられる躯を今宵はどうして慰撫するか。
口では何を言おうが･･･、本能は知っている。ただ、それに従って行為をするだけだ。


今でも感嘆する。自惚れてしまう。あの宵に溶ける。
今しがた出てきたばかりだというのに、それでも躯は言うことを効かない。
薬として与えられる、まるで麻薬のような瞬間(とき)はいつだって刹那に過ぎて行く。
でもただその刹那が愛おしくて堪らない、、、。
だからただ赤子同然のようにしかならないのだ。
欲しくてもどんなに与えられたところで泣き止まない。
その欲を知ってしまったその時から――堕ちて行く、というのは。

足は素直に自分の還る道へと流れる。
頭では、胸中では解っている。知っている。この道がどこへ続いているかを。
昼になれば夜とは別人の様に仮面をつけて勤しむ。
それが真選組鬼の副長の生活だ。
別に誰も騙しているわけではない。バレてもいないのだから騙すこともない。
だが・・・・、あの男は・・・。

以前、土方は桂小太郎に会っていた。
真選組と攘夷志士の関係ではなく、互いが己の生活の中の一部にて。
面と向かい合わせになった時今のような反応ではなかったことは未だ記憶に鮮明だ。
桂も依然として特に変わった様子も無くそれでいてやっぱり女の様に華奢だった。
土方はその躯に這うように目を流して、それは少しだけ欲情した。
何も言わず、すぐに翻して去るその腕を掴み、壁へと押しやる。
やめろ！と押し返す力で開いた股に足を割り込ませ、吐かれた罵声と力を土方の口で奪った。

･･･き、っ・・・さま！

桂の声は途切れていた。
まさか男に口を奪われるなんて、思ってもいないという顔だ。
確かにそれはそうだろう。
余裕の笑みで返すと、桂の顔は少し赤みがかかっていた。
 「ほう、満更でもないってか」
そう返した土方の言葉にすぐさま反発したが、力は男のものではなかった。
身動きできないようにしてやったのだから半分以上もその男の力は発揮されてない。
そして更に尚もその牙すら折った。

ん、んぐっ・・・・！
 「あ、・・・ぅぐ・・・っんん」

小さな吐息と水音が漏れる。
それでも土方はそのまま奥へと舌を掻き入れ口内を犯す。
舌を絡めとり歯列をなぞって更に相手との舌を重ねるように桂が感じられるように・・・
しばらくそうやって続けると、強く押し返していた力は徐々に弱まり土方に身を任せるようにまでなった。
股の間にある足の重みは支えられてようやく、という証拠だった。

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		<dc:date>2018-06-26T00:10:24+09:00</dc:date>
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		<title>一</title>

		<description>舐める様に這わせて土方は硬い靴を鳴らし…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 舐める様に這わせて土方は硬い靴を鳴らした。
表では若者のバカ騒ぎする声や未だ帰路に着かぬ者達の声が行き交っている。
その裏で密かに気配を殺す者。
行く先は何処だろうか。通りの者は彼の存在は気付かない。

そんな男は路地にて、ひとりごちた。
フン、同じ道か、――と。

そして男はその暗闇を利用して苦虫を潰す。
――まったく、好き勝手いいやがって。
これがどうして同じ道なのだ･･･と。

昨晩、宵の明けに珍しく姿を見せた表にて。
隊が長年追跡している攘夷志士・桂小太郎に会った。
相手はまさかこんな時間土方に会うことを予想だにしていなかったように目を見開いたが、その男が驚いた顔を見せたのはそれきりだった。
滅多に己の感情を見せぬ、この男こそ長年我が新撰組が何年も執拗に粘ってもその尾すら掴めない。
逃げの小太郎と呼ばれている者だ。

けれど土方はその時感情を動かしはしなかった。普段であればその神経を尖らせて荒々しい。
それは、陽の出でるときにだけ見せている顔。
土方の周りには、土方ひとりだ。目を反らし桂の横を通り過ぎようとさえして、その時の投げられた言葉がそれ、だった。

 「鬼の副長とも呼ばれる者が、なんという･･･いや、それは昼の顔だけか。」

この含みある嘲笑が、あの男を感じさせた。
あの時代の男たちはどいつも皆同じらしい･･･。
こんな時思い出すのは癪だが、あの銀髪の男といい、こいつといい、そして“奴”だ。
こいつらは確か昔の馴染みであったはずだから、育ちは一緒だったな。
こいつらを育てた松陽ってのはそんなに達が悪かったのか、それとも人を欺くのが美味いか、、、。

 「どうした？いつも五月蝿い貴様にしては大人しいな。それともその牙が取れたとでも？フッ、そんなわけはあるま――」
 「あ？ンなんじゃねぇ･･･今は非番なだけだ。････」
 「ほぅ、では私を捕まえず、見逃すというのだな。･･･いいのか。チャンスを無にして。まあ俺は貴様の意見などどうでもいいが。」
 「逃げる？ってか。まあ、それもいい案だろうな」

 「・・・・・・」土方の応えに一瞬桂の口が黙る。
 「なんだ？早く行かないのか？それとも、行けない理由があるとでも？？」

土方のあっさりとした返事に違和感が生じたのか桂は訝しげに彼をみた。
けれども表情ひとつ変えぬ男に（おやおや、これは・・・。）と好奇の目をむけた。
なにやらそれでこの男なりに気付いたものがあるらしい。さすがは逃げてもその名が世間に通る男である。

 「ほぅ、貴様･･･“それでいて”真選組の副長なんぞをまだ名乗っているのか。･･･まあ俺には所詮関係のない事だが。」

関係のないことならどうして煽る必要があるのか、と土方は胸中にまたひとりごちる。

このときはもう土方の背後にはあの男がいること、
このときのこの男の心情は彼であり既に“彼”ではなかった。

それに気付いていた桂は、分かっていながらそれでも尚、彼を攻めた。
ともに理解を深めることはなく、常に敵同士であるのは変わらないのではあったが、しかし桂はその場から立ち去ることはなく代わりにこんなに風変わりなことを吐いた。

 「貴様がどうしてこんな人気のつかぬ時間帯を選び、俺と同じ道を使っているか。俺にはわかってしまったわけだが ・・・・」

 「・・・？」

 「・・・見逃してくれるお礼、といっては貴様の名誉とやらが汚れるやもしれないが、・・・いやそこまで俺に言わせるとは。・・・いや、貴様は既に、それなんだろう？」

そう言い残し、桂は土方の前から立ち去った。


――俺を見逃してくれるなら・・・・。

今宵、鍵は開けておく。・・・と。





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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2018-06-19T23:53:08+09:00</dc:date>
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